皆様、2019年に発売された「ハリオ・スイッチ」はご存じでしょうか。
「初めて聞いた」
「知っているけど、あまり興味がない」
「少し興味はあるけど、購入するまでは…」
「購入はしたが、あまり使っていない」
など、まだ使ったことのない方から、うまく使いきれていない方までいろいろいらっしゃると思います。しかしそれは、コーヒーライフを充実させるうえでとてももったいないことだと思います。「スイッチ」の素晴らしさを多くの方に知ってほしいという思いです。
「ハリオ・スイッチ」の魅力を余すところなくご紹介いたします。
マインドマップを用いながら、スイッチを俯瞰的にご紹介いたします。
スイッチの素晴らしさをぜひこの機会に!
目次の「ハライチコーヒーが考えるスイッチ」だけは、ぜひご覧いただきたいです。他の章もご興味があればぜひ(^^)
「スイッチ」とは
正式名と発売日、価格
正式名「浸漬式ドリッパー スイッチ」(英:Immersion Dripper SWITCH)は、2019年3月13日にハリオ(Hario)より発売されたドリッパーです。価格は定価で3,850円、Amazonで2,564円(2021.10.12現在)となっています。
箱に記載された特徴
「コーヒーを浸漬してから抽出するドリッパー。スイッチを押してドリップするので、どなたでも均一な抽出が可能です。」
まさにこの通りです。こういうコメントは製作サイドにお任せしましょう(^^)
構造
とてもシンプルな構造です。ホルダーはシリコン製なので、扱いやすいと同時に分解も簡単にできます。分解すると、構造もよく考えられていることがわかります。シリコンの特性を見事に活用していることがわかります。
他の浸漬法による抽出器具
そもそも浸漬式とは?
まず、浸漬式での抽出の特徴について下の図をご覧ください。
スイッチでは、この浸漬法を用いた抽出ができます。しかし、スイッチの魅力はこれだけに留まりません。
ハリオ・スイッチのライバル~「クレバードリッパー」
2009年に台湾で発売されたクレバードリッパーは、ハリオ・スイッチの10年も前に発売された大先輩です。クレバードリッパーもスイッチの抽出方法とほぼ一緒です。明確な相違点としては、
- ドリッパーの形状 スイッチ…円錐形 クレバー…扇形
- 浸漬からの抽出方法 スイッチ…スイッチを押す クレバー…サーバーに置く
といったことが挙げられます。浸漬式としてのコーヒーの抽出でどちらが優れているかというのは、一概には言い切れないところと思います。通常のドリップに慣れている方は、クレバーの特徴でもある浸漬し終えたドリッパーをサーバーに置く工程に違和感を感じるかもしれませんが、逆にそれが楽しいと感じるとも言えます。もうこれは、好みです。
しかし!スイッチにはクレバーでは難しい様々なことができてしまうんです!!
その他の浸漬式の抽出器具
フレンチプレス、サイフォン式に加え、アメリカンプレス、エアロプレス(+加圧式)、カッピングなど、様々な浸漬法を用いた抽出器具があります。
クレバードリッパーが登場するまで、フレンチプレス、サイフォン式がこれまでの浸漬式の代表選手でした。浸漬式の戦国時代が到来しています!!
公式・抽出レシピ
- 湯を沸かしはじめてください。
- ペーパーの圧着側を織り込んで、本体にセットしてください。
- 湯通しは好みで行ってください。
- スイッチが上がっている(CLOSEの状態になっている)ことを確認してください。👈忘れがち。重要!
- 基本は「中細挽き」ですが、のちに浸漬時間を調整することで中挽き、粗挽きでも対応可能です。
- 粉は中央に落とし入れますが、ハンドドリップほど平らにセットすることにこだわらなくてもよいです。
- 公式の説明書では、湯の温度についての指定はありません。
ハライチコーヒーのお勧め➡90~94℃程度かと思いますがこれも好みです。 - 撹拌については、「好みで」となっています。
ハライチコーヒーのお勧め➡定量を注ぎ終えた後に浮いた粉を沈める程度でよいかと思います。 - 240mLの湯を注ぎ切ります。
この間にカップを温めたり、できる片づけをしたりしましょう。
- サーバーに抽出されたコーヒーが落ちます。
- 落とし切りでよいかと思いますが、気になる方は途中で止めるのもよいです。
実に簡単な抽出方法です!
味の特徴
味の特徴は、浸漬法の特徴でもある「フレーバー豊かなコーヒー」となります。また、抽出工程がシンプルなため、「抽出による味ブレがなくなる」のも特徴の一つです。さらにペーパーフィルターを使用していることで、コーヒーオイルの抽出を制限でき、フレンチプレス等と比べると「すっきりした傾向の味」になります。
ハライチコーヒーが考えるスイッチ
改めて「ハリオ・スイッチ」の素晴らしさを列挙いたします。
抽出の安定性が高い
コーヒーは、粉の量(=お湯の量)、挽き目の粗さ、お湯の温度、焙煎からの日数、抽出方法などなど様々な【要素】(⇦変数)が絡まりあうことで味が決まってきます。
「昨日はおいしく入れられたけど、今日は少し物足りない」
「3日前に出した味が出せない」
「今日のは濃さも風味もこれまでで一番おいしい」
日々コーヒーを淹れる過程でこれらのようなことを感じることがあると思います。「何が原因だろう」と考察する際、抽出の【要素】を振り返ります。
「昨日は中挽きでパンチが足らなかった。今日は中細挽きで入れてみよう」
【要素】の比較なしによりおいしいコーヒーを淹れることは不可能ではないでしょうか。この際、他の条件を変えてしまうと何が影響してそうなったかわからなくなってしまいます。
「 昨日は中挽きでパンチが足らなかった。今日は中細挽きにして、さらに豆の量も増やして入れてみよう 」
これは、二つの変数【要素】を同時に動かしてしまうことで、正解がわからなくなってしまうパターンです(でも、よくやってしまいます)。まさに理科の実験の様相です。
前置きが長くなってしまいましたが、ハリオ・スイッチは、様々な要素(変数)のうち、最も数値化しずらい「抽出方法、抽出速度」について、定数化ができるというのが大きな利点です。
抽出方法による味の変化を考えなくていいんです。
これは味を決めていくうえでとても重要です。
アマチュアこそ、スイッチから始めるのがよいと思います!
ハリオV60としても使用できる
ここからがスイッチの本領です。
スイッチは「浸漬式ドリッパー」を謳っていますが、スイッチのスイッチをオン(わかりづらい)、つまり最初からお湯が抜ける状態にしておくことで、「透過式ドリッパーV60」と全く同じ機能として抽出することができるのです。
スイッチは「浸漬式」と「透過式」のどちらの抽出方法でも可能な、両刀使いのスグレモノなのです。
コーヒー以外の抽出で優れている
浸漬法を用いた抽出方法で抽出する飲料はコーヒー以外ではどのようなものがあるでしょう。
- 緑茶
- 紅茶
はその代表です。
- 茶葉の処分が容易➡ペーパーごと処分することができます
- 濁りなく澄んだ状態で抽出できる
お茶、紅茶の味にほとんど影響はないです。こんなプラスアルファの使い方ができるのはスイッチならではです。
ステンレスフィルターとの組み合わせも可能
スイッチにペーパーフィルターからステンレスフィルターに替えることで、コーヒーオイルもしっかり抽出することができ、コクのあるコーヒーに仕上げることもできます。
浸漬式の代表、「フレンチプレス」の味により近いコーヒーを作ることもできます!
V60の別サイズも使用可能➡大容量化が可能
浸漬式の弱点は、抽出量に大きな制約があるという点です。この課題を解決するため、クレバードリッパーではサイズ違い(S,L)サイズが販売されています。しかしスイッチは・・・
『ハリオV60 03 1~6人用』を購入することで、約500mLまで湯を投入することができるようになります。これにより複数人分を同時に抽出できるようになります。
ガラス本体を付け替えるだけ。4杯分程度まで対応できます!
洗浄等、管理が容易
簡単に分解ができ洗浄も容易です。日々使いにおいては大きな利点といえます。
スイッチの弱点
抽出量の問題は前述の通りハリオV60の03を購入することで解決できます。また、通常の透過式ドリッパーと比べればやや洗浄に手間がかかるという程度です。
やっぱり素晴らしい「ハリオ・スイッチ」
熱くハリオ・スイッチの素晴らしさを述べさせていただきました。スイッチはとにかく万能なスーパー抽出器具です。ぜひこの機会にお試しいただき、素晴らしさを体感していただければと思います。
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